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2012年7月30日月曜日

グレージュ


去年ぐらいからでしょうか、グレージュと呼ばれる色のものがでてきました。
実際には、グレイッシュ・ベージュを誰かが略して呼んだものだと思いますが、
要するに、グレイがかった、ベージュということで、
イエローのトーンに黒を混ぜ、グレイッシュにした色全体のことを呼んでいます。

これは鞄や靴といった、皮革製品から広がったのではないかと思いますが、
今年になって、普通の布帛や、ニットといった、日常に着るものまで、
このグレージュのものが増えてきました。

通常ですが、
大体、アイテムをそろえるとき、黒系統、または茶系統に統一すると思います。
もちろん、茶も、黒も、ということもあり得ます。
そんなとき、このグレイがかったベージュはとても便利です。
というのも、茶にも、黒にも、どちらにも自由に合わせられるからです。

本当は、黒なら黒、茶なら茶と、トーンを統一して、色目を少なくするほうがエレガントです。
しかし、洋服は色だけでコーディネイトを作るわけではありません。
シルエットやバランス、気候による寒さや暑さ、どういった場面かなど、
考慮する点がたくさんあります。
そうなると、鞄や靴、小物など含めて、必ずしも黒だけ、茶だけでコーディネイトすることは難しくなります。
そんなとき、役に立つのがこのグレージュのものです。

グレイッシュなので、当然、グレーとのなじみもいいです。
ダークな黒や茶ではなく、ライトグレーからグレージュに持っていくトーンは、とても上品に見えます。
また、地の色はイエロー・ベースなので、
日本人の肌にもよく似合います。
顔の近くに持っていっても、顔色がよく見える色です。
また、髪の毛をブラウンに染めている場合も、よく合うと思います。

今年あたりから、ニットやコートなど、このグレージュのものが多く出てくるでしょうから、
茶も黒もグレーも好きという方には、もってこいの色だと思います。
例えば、黒のブーツに、ライトグレーのニットとスカート、そしてグレージュのコートに、
アクセサリーはパールなら、華やかで上品、しかも色のトーンもそろっています。
また逆に、茶色のコートにも黒のコートにもあわせたい靴や鞄が欲しいとき、
グレージュを選べば、どちらにもコーディネイト可能です。

1つ注意点は、グレージュと呼ばれる色には、非常に幅があります。
黄色が強いもの、グレーが強いもの、明るいもの、暗いものなど、
名前だけで判断してしまうと、思ったものと違う場合もあります。
ですから、買う場合も、グレージュとついているから安心しないで、
きちんと自分が合わせたい色と合うかどうか確認しましょう。
繊細な色ですので、丁寧に選ばなければなりません。

色選びは楽しい半面、実はとても厳密なものです。
いつも言っているように、
あのブランドと、このブランドのグレージュは違います。
作る人の数ほど、色もあります。
その膨大な色の海から、自分にぴったりのグレージュを見つけるのは、
本当は、そんなに簡単な作業ではありません。
海も、砂浜も決して一色ではないように、服についた色も、すべて違います。
まずは自分が求めているのは、どんな具合の色なのかを突き止める。
そして、ぶれいない気持ちで、リラックスして、色の海からぴったりの色を見つける。
そうすれば、それだけでおしゃれに見えます。
それと、色のハーモニーというものは、心を落ち着かせるものです。
色がぐちゃぐちゃだと、心もぐちゃぐちゃになります。
色がぴたっと決まると、心も揺れることなく、ぴたっと止まります。
それは正しく使ったときの色の力です。

力はよくも、悪くも使えます。
どうせなら、よい方向に使いましょう。
色の魔法で、揺らがない心を手に入れたら、
どんな告白も交渉も可能です。
うまくいくことは、間違いありません。

☆写真:マンセルのカラーチャートのイエローのページ。左2列の真ん中辺が、グレージュと呼ばれている色です。参考になさってくださいませ。