例えば雑誌に、「これは今年の新作です!マストバイです!」と
誰かが言った言葉が書かれています。
確かにそれは今年の新作です。
だけれども、それは本当に「マストバイ」、つまり買わなければいけないものでしょうか?
今年の新作は来年になったら「去年の旧作」になります。
そしてまた誰かが「これは今年の新作です!マストバイです!」と言います。
次の年も同じようなことが繰り返されます。
何年たっても繰り広げられる雑誌上の文言は同じ。
うんざりするほどのワンパターンです。
これは小さな脅迫です。
誰かがそうしなければいけないと言うなんて、
そんな命令に従う必要はあるのでしょうか?
でも、それを買わないと、あなたは遅れているとか、
おかしいとか変とか言うのでしょう?
誰が言うかは知らないけど。
命令されるのも、何か言われるのも嫌な場合、
どうしたらいいでしょうか?
その答えは新しさにも古さにも惑わされないことです。
なぜなら、すべてのものは変化するから。
過去と同じ未来なんかないから。
考えなければいけないのは新しさや古さではなく、
それが本物か偽物かということ。
そして、それは自分にふさわしいか、ふさわしくないかということでしょう。
例えば、ボッティチェルリの「ヴィーナス誕生」に新しいとか古いとかあるでしょうか?
そんなものはありません。
そこにあるのは本物か偽物かということだけ。
例えば桜の花に遅れてるとか変とかあるでしょうか?
ありません。
そこにあるのはつぼみの時期、満開の時期、新芽の時期、枝だけの時期です。
変化するのは当たり前。
本物ならば、それがルネッサンス期に描かれたものであったとしても、
時代遅れはありません。
そんな比喩はどうでもいいから、具体的な対処法を教えてほしいって?
OK。ではヒントを書きましょう。
まずはコピー商品ではなく、オリジナルである本物を選びましょう。
そういったものは、物理的には傷んだり古くなったりするけれども、
デザイン的に古くはなりにくいものです。
(絶対に古くならないとまでは言いません)
次に自分にふさわしいもの、自分が好きなもの、そして自分のワードローブを完成させるのに必要なものを選びましょう。
誰かのお勧めを完全に無視する必要はありませんが、
それはちょっとしたアドバイスにすぎません。
参考程度にとどめましょう。
そして究極的にはこれです。
誰かが言った「これは今年の新作です!マストバイです!」のその「これ」を買うのはやめましょう。
そうすれば、次の年、去年の旧作を持つことはありません。
その「これ」は言ったその人と、そのフォロワーが買えばよし。
ほかの人は関係ありません。
誰かが買うようにはやし立てたもの、
それは必ずや、廃れるものです。
その廃れるもの買い物競争から、早々に離脱すれば、
あなたもきっと心安らかにいられるでしょう。
そんな競争には参加しないに限ります!
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