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2011年2月11日金曜日

年をとると似合う服がなくなる?

年をとると、どんどん似合う服がなくなっていくという声を、ちらほら聞きます。
私が学生のころ、ずっと「装苑」で洋服についての連載を持っていた中野翠さんも、そのようなことをインタビューで答えていらっしゃいましたし、事実、中野さんの最近のお写真は、いつも着物姿です。
また、ずっとイラストの世界で第一線で活躍していた大橋歩さんも、最近は似合うものがなくなったということで、ご自分でブランドを作って、自分の着たい服をデザインしていらっしゃいます。
年をとったら、似合うものがなくなってしまうというのは、私たちの側の問題でしょうか。
それとも、作る側の問題でしょうか。
私は、ここに、日本の服飾業界の未成熟さを見てとります。
誰でも年をとるのに、そうなったときにすてきに見える服がない。
デパートは相変わらず、若者向きのブランドに力を入れている。
「ミセス」や「マダム」という雑誌だって、表紙は30代の女性。
大人かわいいもいいのですが、決してだれにでも似合うコンセプトではないし、50歳、60歳、70歳になってまで、そんな格好をするのかどうか、大いに疑問です。
日本の服飾業界は、年齢を重ねた日本人の女性に似合う服の提案を、してこなかったのです。
有名なデザイナーたちも、その問題に向き合っていません。
既成のものを壊すことで成立したアバンギャルドも、自分の芸術表現の手段としての洋服も、
この問題に対する答えにはならないのです。
そうなったときにどうするか。
大手スーパーの売り場に並ぶ、あのくすんだ色合いの服を選ばなければならないのか。
無理してでも、若者用の服を着るのか。
それとも、いっそ着物を選ぶのか。
まだ、そのことについての答えはありません。
自分のスタイルを構築すると同時に、そうなっていくとき、どういう自分でいたいのか、
常に考える必要があるでしょう。
なぜなら、ワードローブの構築とは、今だけの点の問題ではなく、未来へ続く道だからです。

☆大橋歩さんのブランド、エードットはこちら。