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2013年9月23日月曜日

スカート完全復活

思えば、2000年以降、スカートにとっては受難の時代だったのです。
シルエットがタイトだった、2000年以降、
スカートは断然不利な立場に置かれました。
広がり、膨らみ、ボリューム、ひだ、ギャザーなど、
タイトとは反対の方向性を持つシルエットは否定され、
残されたのはタイトスカートや、ミニマムなシルエットのミニや台形スカートのみ。
何度か誰かが広がったスカートを提案しても、
なかなか認められず、結局はスキニーに、タイトに、無駄をはぎ落とし、
効率的に、余計なものは省かれました。

それは確かに時代の気分でした。
人々の無意識を支配した、大きな流れです。
誰も逆らえることができず、ただ、その無意識に、気づかぬままに従うのみ。
その無意識の気分と一致したテイストを持つデザイナーがもてはやされ、
一気に街はタイトシルエットで占領されたのです。

広がってはいけないのでした。
長すぎてもいけないのでした。
ギャザーなんてもってのほか。
プリーツも余計とみなされました。

男女間の性差が少なくなり、
女性のワードローブには、ほぼ男性と同じアイテムがそろうようになった現代においても、
スカートをはく男性は、特別な地域や場所を除いては、存在しません。
(まあね、スコットランドにはいるわよ。見たことあるわ)

しかし、ここで行きすぎたタイトの理想は破たんしたのです。
もうこれ以上、その先はなくなりました。
ぎりぎりにタイトなシルエットに、無理やり詰め込んだ、生身の肉体は、
その窮屈さに耐えられなくなりました。
究極まで短くされた、最小限の生地で作られるミニスカートも、
もうこれ以上、小さくすることはできません。

行きすぎたものが戻ってくる法則は、
ファッションにおいても成立します。

2013年、スカートは完全に復活しました。
長いあいだ、忘れ去られていた、あのボリュームが戻ってきました。
フレア、ギャザー、バルーン、プリーツ、
ふわふわと、ひらひらと、風が吹きつけたら、膨らんで飛ばされそうに、
スカート本来の姿が再び現れ始めました。

鳥かごから出てきた鳥のように、
スカートは羽ばたきます。
当分の間、この飛翔は止められません。

そんなわけで、スカートのバリエーションは復活です。
まず2013年の秋冬はフィット・アンド・フレアのシルエットを作るフレア・スカートが戻ってきました。
フレア・スカートがずっとなかったなんて、
今考えたら、ぞっとします。
女性の服飾の長い歴史を見ても、
ボリュームと長さのスカートがなかった時代など、ないのですから。
スカートのボリュームと長さはいつだって、
女性性の象徴なのです。
なぜなら、それは生み出す力だから。

フレア・スカートが戻ってきたら、
続いてプリーツ・スカートも、ギャザー・スカートも、マーメイド・ライン・スカートも、
次々戻ってきます。
長さも、ボリュームも、もう否定されません。

長いこと、スカートのレッスンは忘れさられてしまったので、
ここで再び勉強のし直しです。
全体で作るバランスとシルエットが変わります。
それは、もちろん、女性的でなければならないのです。
攻撃的ではなく、受容的です。
硬さではなく、やわらかさです。
歩き方も変わります。
優雅さを取り戻さなければなりません。
鏡の前で、一からやり直しです。

英語で言うところの「Lady」にふさわしい身のこなしが必要です。
しとやかで、思いやりがあり、礼儀正しい女性です。
それはこれまでの、粗雑で大雑把な、髪を振り乱して夜遅くまで、
食べず、眠らず、蛍光灯の青白い光の下、
肉体の欲求を無視して働いてきた女性とは違います。
そうです。絶対に違います!

眠り姫のように眠りつづけた、あなたの中の「Lady」が、
今、目覚めます。
新しい目覚めには、新しいスカートが必要です。
今まで忘れていたでしょう。
今まで気づいていなかったでしょう。

新しいスカートをはいて、力を取り戻しましょう。
死んでなどいないのです。
再び、新しい希望を見つけましょう。
それはきっと、見つかるはずですから。